リア王(King Lear)

人間は、上手くいっている時には、あまり表に出ることはありませんが、ピンチの時、不調の時など、辛い時や悲しい時などに、本質が現れると言われています。

こういった時には、人間の弱さや脆さだけでなく、狡猾さや汚さ、卑屈さなど人間の闇の部分が現れます。そんな負の感情の動きを、芸術まで高めた作品が、ナショナル・シアター・ライブで見ることができるリア王という作品です。

リア王(King Lear)の基本情報


この作品は、イギリスのルネサンス演劇を代表するウィリアム・シェイクスピアによって作られた演劇です。シェイクスピアの四大悲劇の中でも、最も有名でエモーショナルな作品としても知られています。

この作品が世に出たのは、今から400年以上も前の1605年から1606年の頃になります。この時代は、イングランド王国とスコットランド王国が同君連合となった時代でもあり、世の中が新しく生まれ変わっていたターニングポイント的な時期でもありました。この作品の下となったのは、ブリトン人の伝説の王レイアという実在の人物で、王レイアに関する複数の文献などを元に、シェイクスピアが作り上げたと言われています。

また、この作品は、1608年に出版されたリア王と三人の娘たちの生涯と死の歴史にまつわる真実の物語と、1623年のリア王の悲劇という2つの原作があります。少し前までは、この2作品を1つにまとめた出版物が多かったのですが、最近では、これらを分けて別々の作品として取り扱っているケースが増えています。

どちらも素晴らしい作品ですが、よりエモーショナルな物語を見たいのであれば、1623年のリア王の悲劇がおすすめです。

ナショナル・シアター・ライブのリア王の情報


ナショナル・シアター・ライブとして放送されたこの作品は、2018年の9月27日にデューク・オブ・ヨークス劇場で公開された公開されたものを収録したものです。

演出は、日本でも活躍しているジョナサン・マンビィ氏です。ジョナサン・マンビィ氏は、堤真一の名演で話題となった民衆の敵や、佐藤健と石原さとみのダブル主演で注目を集めたロミオ&ジュリエットなどの演出も手掛けています。

主演のイアン・マッケラン氏は、ロード・オブ・ザ・リングのガンダルフ役やX-MEN2のエリック・レーンシャー役、ダ・ヴィンチ・コードのリー・ティービング役としても有名な俳優です。

舞台と映画の両方で活躍する稀有な存在です。国内にいながら、ジョナサン・マンビィ氏とイアン・マッケラン氏のタッグで作られた、シェイクスピアの名作を観ることが出来るのは、ナショナル・シアター・ライブならではの贅沢だと言えます。

ナショナル・シアター・ライブのリア王の口コミ


ナショナル・シアター・ライブverを観た方で、ネガティブな印象を持っている人は皆無です。非常に重厚な物語、そして3時間半という超時間の舞台でありますので、決して簡単な演劇ではありませんが、3時間半の上演時間でありながら、最初から最後まで圧倒され、引き込まれていきます。

NTLive イアン・マッケラン主演『リア王』予告編

特に80歳近いイアン・マッケラン氏の名演は、伝説に残るとも言われています。内容的に、独善的な人物から、裏切られてパワーがなくなり、衰えていく様までを演じ分けなければいけない、非常に難しい役ですが、きっちりと演じ切っています。もう、この先、イアン・マッケラン氏が演じた以上のKing Learは現れないと思わせるほどの名演でした。