ナショナル・シアター・ライブでは、世界の名作舞台を、映画館の素晴らしい音響や映像技術で楽しむことができます。新型コロナウイルスで海外旅行を自粛していたという方も、ナショナル・シアター・ライブを利用すれば、大迫力の舞台を間近に感じることができます。ナショナル・シアター・ライブでは、アラン・ベネット氏の大ヒット舞台Allelujah!なども放映されていました。
Allelujah!(アレルヤ!)の生みの親
Allelujah!(アレルヤ!)は、イギリスの劇作家アラン・ベネット氏によって生み出されたる新作です。アラン・ベネット氏は、1934年にイギリスのウェスト・ヨークシャー州リーズで生まれた方で、今年で87歳になりました。アラン・ベネット氏が、世間から注目を集めたのは、1960年代初期に大ヒットとなったBeyond the Fringe(周辺を越えて)という作品です。Beyond the Fringeでは、アラン・ベネット氏の他に、ピーター・クック氏、ジョナサン・ミラー氏、ダドリー・ムーア氏という4人によって書かれ、演じられました。
アラン・ベネット氏は、その後も精力的に活動し、小説「やんごとなき読者」や、映画「ミス・シェパードをお手本に」、舞台「ヒストリーボーイズ」などを発表し、その地位を確固たるものとしました。小説「やんごとなき読者」は、日本国内でも、市川 恵里さんが翻訳し、大ヒットとなりました。1990年、1992年、そして2005年には、ローレンス・オリヴィエ賞を受賞、1996年には、英国万歳!で英国アカデミー賞を受賞します。2006年には、彼の代表作でもあるヒストリー・ボーイズで、トニー賞 演劇作品賞とドラマ・デスク・アワードの2つを受賞しました。
Allelujah!(アレルヤ!)とは
Allelujah!(アレルヤ!)は、2018年にロンドンのSomerset HouseやBridge Theatreなどで公演された演劇です。病院を舞台にして、人間の皮肉さやおおらかさ、そして素晴らしさを描いた作品です。こちらの作品は、イギリスの北部にあるペナイン山脈にほど近い病院で起こる出来事を描いた物語になります。その病院が、閉鎖されてしまうかもしれないという危機に対して、その病院で働くスタッフや患者さんなどの気持ちの動きをコミカルに描いています。
閉鎖されるかもしれない病院を取材するドキュメンタリー取材スタッフと、病院の従業員とのやり取りや姿を通じて、イギリス国営医療サービス事業の国民保健サービスの在り方や問題点、そして重要さを浮き彫りにした作品として、普段は舞台をあまり見ないという方からも注目されました。
ナショナル・シアター・ライブでの放映
日本にいながら、世界の名作舞台を楽しむことができるナショナル・シアター・ライブでも、Allelujah!(アレルヤ!)は放映されました。放映されたのは、イギリスのBridge Theatreにて、2018年の9月20日に収録された内容です。
休憩を含め、放映時間は2時間45分でした。出演は、ヒストリーボーイズのキャストとして名演を残したサミュエル・バーネット、サーシャ・ダワンなどです。日本では、2019年の7月12日から7月18日までの一週間公開されました。公開された劇場は、シネ・リーブル池袋、TOHOシネマズ 川崎、TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ、福岡中洲大洋劇場、大阪ステーションシティシネマの5つの映画館です。ナショナル・シアター・ライブでは、これからも魅力的な作品が放映される予定ですので、ぜひチェックしてください。